奈良甲状腺クリニック 院長
中村 友彦
(日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医)
甲状腺の腫れとは
- 甲状腺の腫れは、「甲状腺腫」や「甲状腺腫大」とも呼ばれます。
- 甲状腺は一部分が腫れる場合や、甲状腺全体が腫れる場合があります。
- 甲状腺全体が腫れることを「びまん性甲状腺腫」や「びまん性甲状腺腫大」と呼びます。
- 甲状腺の腫れは自分で気がつく場合もありますが、健康診断で医師から指摘されたり、他の目的で行われた画像検査(頸動脈エコーやCT、MRI)で指摘されたりすることも多いです。
甲状腺が腫れる原因
- 甲状腺の腫れは、様々な甲状腺の病気で見られます。
- 原因によって甲状腺の一部分が腫れたり、甲状腺全体が腫れたり、甲状腺が痛みを伴って腫れたりする場合があります。
甲状腺の腫れに伴う症状
- 「甲状腺ホルモンの状態」と「甲状腺の腫れの程度」によって症状が異なります。
- 甲状腺ホルモンが正常で、甲状腺の腫れが軽度な場合には、甲状腺の腫れ以外の症状はほとんどなく、自分では気が付かないことも多いです。
- 甲状腺ホルモンが多い場合
動悸や息切れ、暑がり、汗をかきやすい、手の震え、体重が落ちる、食欲が増す、軟便・下痢、疲れやすい、イライラする、落ち着きがない、月経不順、などの症状があります。心房細動や心不全、骨粗鬆症の原因になる場合もあります。バセドウ病ではそれらに加えて、目に症状が出て(まぶたの腫れ、目が飛び出るなど)顔つきが変わったり、甲状腺が腫れたりする場合があります。 - 甲状腺ホルモンが少ない場合
無気力、疲れやすい、まぶたのむくみ、寒がり、体重増加、動作緩慢、すぐに眠ってしまう、記憶力低下、便秘、声がれ、などの症状があります。 - 甲状腺の腫れによる症状
飲み込みにくい、呼吸困難、咳、声がれ、いびき、などの症状があります。
甲状腺の腫れの見分け方
- 甲状腺が明らかに腫れている場合には、鏡で見たり、手で触ったりして自分で分かることもありますが、腫れているように感じても実際には腫れていなかったり、その逆のこともあります。
- 甲状腺が腫れているかどうかを見分ける一番よい方法は、「超音波検査」です。
- 医師であっても目で見たり、手で触ったりしただけでは判断が難しいことも多いですので、気になる症状があれば一度受診して、超音波検査を受けることをお勧めいたします。
甲状腺の腫れの検査
- 超音波検査
甲状腺の大きさ、甲状腺内部の見え方、腫瘍がないかを確認します。 - 血液検査
甲状腺ホルモンと甲状腺自己抗体を測定し、甲状腺機能と橋本病(慢性甲状腺炎)の有無を確認します。甲状腺腫瘍が疑われる場合にはサイログロブリンも測定します。サイログロブリンの値が異常に高く持続する場合は悪性の可能性を考える必要があります。バセドウ病が疑われる場合にはTSH受容体抗体も測定します。 - 穿刺吸引細胞診
超音波検査で腫瘍が確認され、腫瘍が大きい場合や、見え方から悪性が疑われる場合には穿刺吸引細胞診を行います。穿刺吸引細胞診では、腫瘍に細い針を刺して細胞を採取し、良性か悪性かを調べます。 - CT検査
超音波検査で確認することができない下の方(縦隔)まで甲状腺が腫れていることが疑われる場合にはCT検査を行います。
関連項目
【診療科目】甲状腺内科、糖尿病内科、内科
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