奈良甲状腺クリニック 院長
中村 友彦
(日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医)
甲状腺機能亢進症とは
- 甲状腺は「甲状腺ホルモン」というホルモンを作っていて、主な働きは全身の代謝を高めることです。
- 甲状腺ホルモンが多い状態を「甲状腺中毒症」や「甲状腺機能亢進症」と呼びます。
- また、甲状腺ホルモンがわずかに多くなっている状態を「潜在性甲状腺中毒症」や「潜在性甲状腺機能亢進症」と呼びます。
甲状腺機能亢進症の原因
- 甲状腺ホルモンが多くなる原因は大きく3つに分けられます。
①甲状腺が甲状腺ホルモンを多く作りすぎる場合(狭義の甲状腺機能亢進症)
②甲状腺が炎症により壊れて血液中に甲状腺ホルモンが漏れ出る場合(破壊性甲状腺炎)
③甲状腺ホルモンの過剰摂取 - 最も多い原因は「①甲状腺が甲状腺ホルモンを多くつくる場合」の代表的な病気である「バセドウ病」です。
- その他の原因で頻度が多いのは、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、機能性甲状腺結節(プランマー病)、妊娠一過性甲状腺中毒症などです。
甲状腺機能亢進症の症状
- 動悸や息切れ、暑がり、汗をかきやすい、手の震え、体重が落ちる、食欲が増す、軟便・下痢、疲れやすい、イライラする、落ち着きがない、月経不順、などの症状があります。
- 心房細動や心不全、骨粗鬆症の原因になる場合もなります。
- バセドウ病ではそれらに加えて、目に症状が出て(まぶたの腫れ、目が飛び出るなど)顔つきが変わったり、甲状腺が腫れたりする場合があります。
- 軽度の甲状腺機能亢進症や潜在性甲状腺機能亢進症の場合、症状が出ないこともあります。
甲状腺機能亢進症の検査
- 血液検査で甲状腺ホルモンの量とTSH受容体抗体の有無を確認します(TSH受容体抗体が陽性の場合、バセドウ病が疑われます)。
- 超音波検査で甲状腺の大きさ、甲状腺内部の見え方、甲状腺の血流、腫瘍がないかを確認します。
- 診断が難しい場合には放射線検査(放射性ヨウ素またはテクネシウムの摂取率・シンチグラフィ)が必要になる場合もあります。
甲状腺機能亢進症の治療
- 原因によって必要な治療が異なります。
- バセドウ病の場合、通常は薬物治療を行いますが、副作用で薬が使用できない場合などにはアイソトープ治療や手術を行います。
- 原因によっては薬物治療は必要なく経過観察のみで改善する場合もありますので、甲状腺機能亢進症の原因をきちんと診断することが大切です。
関連項目
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